@tetsuyasdのブログ

Life is like a tofu on fire

海外出張に役立つアプリ (from LT for Microsoft Open Tech Night #01)

代官山にオープンしたAzure Daikanyama Baseのこけら落としとして、2019/11/26に開催されたMicrosoft Open Tech Night #01にてLTを話す機会をいただきました。 本ブログにも書いたMS Ignite 2019の参加記をお話したのですが、ネタとしてご紹介した海外出張で役立ったアプリの話が意外と盛り上がったため、こちらのブログポストにもまとめておきます。

もうじきre:Inventも始まりますのでもし間に合えば試してみてください。 ちなみに5つ紹介したうち3つはネタですので、以下では2つのみ紹介します。

1. Otter Voice Meeting Notes

1つ目はスマホで自動音声認識ができるアプリです。iOS/Androidともにあります。 従来も自動音声認識アプリはありましたが、これは非常に精度とレスポンスが高いのが特徴で、ほぼリアルタイムに、かつ、間違いなく表示してくれます。 課金形態がユニークで、毎月600分までは無料でそれ以上は1100円/月の課金となります。翌月にはリセットされる、とありますのでヘビーユースでなければ無料の範囲でも十分使えるはずです。 また、録音した音声は後から聞きなおすこともできて、再生しながらテキストもフォーカスされるため、英語ディクテーションの学習にも非常に便利だと思いました。

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Otterの画面の例

イベント会場でも使ってましたが、スピーカーから直接声が届くような場所ではとても正確に聞き取れていましたが、大きな会場でスピーカーごしなどになった場合に精度が落ちたことがありました。あと、携帯の機種にもよると思いますが、電池の消耗が激しくてモバイルバッテリーで充電しながらでないとすぐ電池切れになってしまいましたのでご注意ください。

otter.ai

2. Timeshifter

2つ目は時差ぼけ防止という少し変わったアプリです。こちらもiOS/Androidともに利用できます。 アメリカやヨーロッパへのフライトでは行きも帰りも時差ぼけの心配がつきまといますが、このアプリでは出発前にフライトの前後を「どのように過ごすか」のプランを提示してくれます。 具体的には、予定されているフライトについて行き帰り(乗り継ぎがあればその情報も)の便名または時刻を登録します。そして次の3つの質問に答えます。

  • 普段の生活が朝型か夜型か?
  • メロトニン(睡眠ホルモンを制御する薬)を服用しているか?(※日本では販売されてないのでNoとします)
  • アプリ通知を受けるか?

すると、アプリがフライト前後の生活プランを提示してくれます。

  • 睡眠をとる時間帯
  • 太陽光を浴びる時間帯、浴びてはいけない時間帯(アイマスクで対応します)
  • カフェインを摂取してよい時間帯、いけない時間帯

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Timeshifterの画面の例

フライト後もしばらく調整が必要ですのでこのプランに従えば、ある程度時差ボケが抑制できると期待できますね。 私の場合は、もともとあまり時差ボケしにくい体質なのもあって劇的に効果があったかはわかりませんが、ぜひみなさんにも試してみてもらって結果を教えていただけたらと思います。

www.timeshifter.com

最後に

この内容は最初に紹介したMicrosoft Open Tech Night #01のLTでお話しました。スライドを以下にアップロードしていますので、よろしければこちらもお読みください。

www.slideshare.net

【#MSIgnite】Microsoft Ignite 2019 に参加してきました

2019/11/3から11/8までフロリダ州オーランドで開催されたMicrosoft Ignite 2019に参加してきました。 このブログポストでは、参加の経緯、概要、今回の参加目的といろいろと感じたことをまとめます。

Igniteとは何か?

Microsoftでは毎年グローバルに大規模なイベントを開催していますが、ターゲットごとに次の4種類に分類されます。

  • Build:開発者向け。だいたい5月頃開催される。
  • Inspire:パートナー向け。7月頃開催される。
  • Envision:ビジネスリーダー向け。昨年はIgniteと同時期だったが今年は12月に日本で開催するみたい。
  • Ignite:ITエンジニア向け。11月頃開催される。★今回はこれに参加★

フロリダ州オーランドにあるOCCC(Orange County Convention Center)という全米1,2の規模の会場に、25000人以上の参加者が集まり、1200を超えるセッションが組まれた5日間の大規模イベントでした。

特に冒頭のVision Keynoteで行うSatya Nadellaのキーノートでは、数多くの発表を行うことから日本からも動画を見た方も多いのではないでしょうか。

参加の経緯

今回初の試みのようですが、各国から数名ずつ、コミュニティをリード・支援している個人をCloud Advocateチームが選出する形で招待していただきました。 日本からはサイダスの吉田真吾さん(@yoshidashingo)と、光栄にも私が選ばれました。(正直、コミュニティへの貢献はまだまだ足りないのでこれからどんどん活動していきたい!)

MS JapanのCloud Advocateのリードをされている安田クリスチーナさんとはコミュニティイベント含めていろいろ接点があるのですが、いつも圧倒的な熱量とビジョンを持って行動しているのは素晴らしいと思います。自分ももっと頑張らないとなー。 forbesjapan.com

概要

Igniteについては日本からの参加者もいてみなさんブログなどでまとめ記事を発信されているのでそちらもぜひ参照いただければと思いますが、イベント概要をざっくり紹介すると以下のようになります。

スケジュール
  • 11/3(Sun): Predayとして一日ハンズオンワークショップなどが行われる。私含めこの日に移動してくる人も多い。
  • 11/4(Mon)-11/8(Fri):5日間のセッション、ワークショップ、ブース展示などが行われる。ひたすら広い会場でとにかくたくさんのイベントがある。
新製品、新サービスの発表

年に一度のIgniteに合わせてリリースされる製品やサービスも多く、今年は特に新発表をまとめた膨大なBook of Newsが公開されて話題になりました。

また今年も日本語のブログとして多くの方がまとめられています。 私はよくブチザッキを見ているので、こちらを代表として紹介させてください。

blog.azure.moe

参加の目的

ここまで紹介すると他の方と同じようなIgnite 2019紹介になるのですが、参加の経緯でも書いたように今回少し特殊な立場で参加させていただいたので、それも参加の目的に含めています。

その1:主にAzure関連の新サービス、機能拡張の確認

Azureは普段から検証で使ったり、業務としてお客様にも導入、技術コンサルをしていることから、あらためてIgniteに参加して新しい発表や製品・サービスの進化について直接見聞きできることは非常に良い機会でした。

また、Azure以外の技術についてもできるだけ幅広く見て回るようにしました。Power PlatformやGraph APIなどは今回新たに知見を深めたいと思いました。

その2:コミュニティリーダー向けのプログラムへの参加

自分の中では今回こちらも大きな目的でした。各国のコミュニティリーダーはたとえばDevOpsコミュニティのオーガナイザだったりAI/Data AnalyticsのMeetup主催者だったりさまざまな領域でコミュニティを盛り上げていて、そういった各自の経験だったり悩みだったりをMicrosoftのリーダー達と一緒にdiscussionできる機会を作っていただきました。

実はこれらのプログラムはIgniteの公開されているセッションとは別に非公開にセッティングされていました。秘密ではないはずですが、今回そうしたセッションがあったことはあまり知られてないと思いますのでこの場でぜひ紹介させてください。

たとえば、自分たちのコミュニティにどうやって関与してもらうか、数多くあるOSSをどう選定・採用するか、CxOとどのように対話して価値を説明するか、といった幅広いテーマでMicrosoftのPM(Product Mgr)さんやVPさんに知見を紹介いただいたり、皆で活発に議論を行いました。

特にこの3日目のScott Hanselmenを囲んだworkshop/discussionでは、彼がどうやって今のようなエネルギッシュな活動をモチベートしているかといった質問から始まり、新しいことをどうやって常に学んでいるのか、などのテーマで盛り上がりましたが、中でも(オフレコな)彼の個人的な生い立ちを交えて心に刺さる話を聞かせてもらえたのが印象的でした。

最終日にはコミュニティリーダー達で集まって写真を撮りました。彼らにはTech eventなどで日本に来たときにはぜひ声をかけてね!と伝えておきましたので、近いうちにゲストスピーカーとして登壇してくれる日が来るといいな。

参加してみての所感

今回Azureをはじめとした技術面での見聞を深めるのはもちろんですが、Microsoftが今後の世界をどう見ていて今どんな戦略で何をしているのか、ということを見聞きして肌で感じてきたいと思っていました。現地でそういった観点で特に強く感じられたのが以下です。

Microsoftのミッション

Microsoftでは"Our mission is to empower every person and organization on the planet to achieve more."という言葉をミッションとして掲げています。

www.microsoft.com

自分もいまの仕事では、お客様に対してIT技術を通して顧客自身が変革、改善をしてビジネスの成果を高めることを目指して日々活動しているので、この表現にはとても共感しています。

イベント参加者としてはついつい押し寄せる技術情報に埋もれてしまい、そうしたいわばキラキラしたIT技術自身が目的に見えてしまいがちですが、Microsoft自身がIgniteを通じてたびたびこのミッションを掲げていたのがとても印象的でした。

そういう視点でみてみると、今回Igniteでも相当の数の新製品、サービスが発表されましたが、これらを一段上から俯瞰したときに、このミッションにマッチしたものがいくつもあるように思えてきました。

  • Visual Studio Online (Preview):開発者があらゆる環境からでもVSCodeを使って効率性を最大化できる
  • Azure AD Free/BasicでもMFAが利用可能:すべてのAzure利用者にMFAのセキュアなアクセス環境を提供
  • Power Automate (Preview):新しいRPAベースの機能でPCを使ってUIタスクを行うエンジニアおよびビジネスユーザの生産性を向上する

最近出てきたパワードスーツ(Augmented Robots?)みたいなやつを使って普通の人が力仕事を簡単にできるようなイメージで、IT技術をあまねく広い利用者が使いこなして、一様に生産性を向上させようとするビジョンをこうした発表からは感じることができました。(考えすぎかもしれませんが)

Diversity and Inclusion

ミッションにも"empower every person and organization"とあるように、世の中のあらゆる人や組織をこの考え方に賛同してもらい巻き込むことが何より重要と考えているため、性別、人種、言語、信仰などの生物的・文化的多様性を包含して受け入れるという考え方です。最近企業としてこのスローガンを掲げるところも増えてきてますね。自分の所属しているHPEでも実はこの考え方を推進しています。

ただ、MicrosoftではIgniteの場においてもこの考え方を非常に重要視しており、たとえばすべてのセッションでは講演者の話す内容に半リアルタイムで字幕がついたり、技術セッションとは別にDiversity and Inclusionをテーマにしたセッションがあったりして、単にスローガンを掲げるだけでなく実践にまで踏み込んでいることが実感できました。

この考え方は、今後自分がローカルでコミュニティをリードする上で大事にしたいと思えるもので、実際にMicrosoftがどうやって実践しているかを見て経験できたことが、今回のIgniteに参加した上で一番大きな収穫でした。

ちょっと驚いたのが、今回招待されたコミュニティリーダーの中にはAWSコミュニティのインフルエンサーもいたりして、そういった方たちにもIgniteでMSが何をしようとしているのか、一緒にコミュニティを盛り上げていけないか、というメッセージを投げかけているんだな、と理解しました。

SatyaがCEOになってからはパートナーとの協調をかなり積極的に推進しているのを感じますが、今回Igniteに参加してそれを強く実感しました。

最後に

つらつらとIgniteの参加記をNon Techな視点でまとめてみたのですが、こうしたプログラムやセッション、展示がIgniteではあったことを知らない方も多いと思いますので、少しでも多くの方に知ってもらえたらと思います。

あと、Igniteではお約束(?)で4日目の夜にUniversal Studio Orlandoを貸し切って参加者全員でpartyが行われるので、しっかり楽しんできました!(写真がかなりブレた・・・新しいiPhoneにしなければ)